九十浜（くじゅっぱま）海岸

「九十浜（くじゅっぱま）」は、御用邸がある下田の爪木崎付近の砂浜がある海岸です。海水浴場という言い方をよくされておりますが、個人的には、海水浴場とは言い切りたくはありません。なぜなら、夏の海水浴シーズンに海水浴を楽しめるのはもちろんですが、海に入れない人がほぼいないそれ以外のシーズンこそ、九十浜の美しさが愉しめるからです。こちらの九十浜には、海水浴シーズンに数回、それ以外のシーズンに磯遊びや散策に足を運びました。

この付近周辺を散策するための無料駐車場があり、200台ほど駐車可能です。駐車場の先には、灯台や海がみえるイスとテーブル、休憩所が併設されています。ここから1分ほど歩くと、九十浜に降りる坂道が見えてきます。

この坂道を2分から3分ほど下ります。結構急ですので、スニーカーでお越し頂くことをお勧めします。最初は遠くに見えていた海が、坂道を下るごとに近づいてきます。それにつれて、気分もどんどん高揚してきます！夏には売店になる、赤い屋根の建物が見えてきたら海はもうすぐです。

海を目の前にすると、思ったより狭いことに驚かれる方も多いと思います。おそらく手前の海岸は、端から端まで30m程でしょうか。砂浜もあり、波も穏やか、海の透明度も高く、海水浴場としてはこれ以上ない環境です。夏の時期はかなり込み合いますが、それ以外のシーズンは、この空間を独占できます。こちらは5月から6月の行った時の写真ですが、ご覧の通り、誰もいませんでした。この景色を独占できるのはとてもお得な気分ですね。

階段の降りて目の前の砂浜から右の方に歩くと、岩や潮だまりが多いゾーンが見えてきます。お子様はこちらで磯遊びをしても楽しめそうです。

そして、舗装されているとはいえませんが、岸壁に沿って歩くと、堤防まで歩けます。この堤防からは、九十浜や、駿河湾を見渡すことができ、中々の眺望です。

堤防を進むと、林間遊歩道に続く上り坂があります。こちらの坂はかなりきついので心の準備が必要です。先程まで海にいたことを忘れるくらいに、青とは真逆の緑が愉しめます。そして、緑の中にいるものの、潮風の香りが漂ってきます。潮風の香りと緑の香りが混ざり、最高の気分です。潮の香りが漂うところ、緑の香りが漂うところは数多くありますが、両方漂うのはかなり稀です。きつい坂道で心臓がバクバクしながらも、最高の森林浴と散策を愉しめました。坂を上り切ると、無料駐車場の先に出ます。坂を下りて、九十浜を散策し、林の坂を上る。海水浴場だけでなく、このような自然を嗜みながらの散策もできるのが、九十浜海岸の魅力です。